クライアントのWordPressサイトの保守管理を請け負うと、直面するのは想像以上に「不健康」なサイトだったりします。まるで何年も健康診断をサボり続け、生活習慣病を放置してきた人の身体のように、内部には様々な問題が蓄積されています。
表面上は問題なく動いているように見えても、いざ中を覗いてみると驚くべき状態になっていることが少なくありません。そして、その「不健康さ」が明らかになるのは、大抵の場合、何か新しい機能を追加しようとしたり、デザインを刷新しようとしたりする「手術」が必要になったときなのです。
よくある「症状」たち
パーマリンクエラーの放置
URLの構造に問題があるにも関わらず、「今は表示されているから」と放置され続けている状態。SEOに悪影響を及ぼし、検索順位の低下や404エラーの原因に。
プラグインのアップデート未実施
数十個ものプラグインがインストールされているのに、アップデートが何ヶ月も、時には何年も放置されている。セキュリティホールが開いたまま運用されているケースも。
使用していないファイルの蓄積
過去のキャンペーンページ、テスト用のページ、使われなくなったテンプレートファイルなどが削除されずに残り続け、サイトの肥大化とパフォーマンス低下を招いている。
複雑に絡み合ったコード
複数の開発者が入れ替わりで手を加えた結果、コードが複雑化し、どこに何があるのか把握するだけで膨大な時間がかかる状態に。
これらは、まさに「血圧が高いけど放置」「コレステロール値が異常だけど対処しない」という状態と同じです。今すぐには倒れないかもしれませんが、いつ深刻な問題が発生してもおかしくありません。
「手術」に耐えられない身体
問題は、新しい機能を追加したり、テンプレートを変更したりという「手術」が必要になったときに顕在化します。健康な人であれば問題なく受けられる処置も、不健康な身体では耐えられないのと同じように、放置されたWordPressサイトでは想定外のエラーが続出します。
プラグイン同士が競合を起こしたり、古いコードが新しいPHPバージョンに対応していなかったり、テーマの変更によって既存のカスタマイズが全て無効になったり……。エラーの原因を特定するだけで数日、修正には数週間かかることも珍しくありません。
さらに厄介なのは、「チェックするだけ」でも相当な時間を要することです。どのプラグインが実際に使われているのか、どのファイルが必要でどれが不要なのか、カスタマイズがどこに施されているのか——これらを確認するだけで、まるで全身の精密検査を行うような労力が必要になります。
解決策:定期健診プラグイン
WordPress Health Check & Maintenance Advisor
こうした問題を未然に防ぎ、サイトを常に健康な状態に保つために、「定期健診」のようなプラグインの開発を構想しています。人間の健康診断が血液検査や血圧測定で身体の状態を可視化するように、このプラグインはWordPressサイトの「健康状態」を総合的に診断します。
プラグイン健康診断
インストール済みプラグインのアップデート状況、使用状況、セキュリティリスクを一覧表示。未使用プラグインの自動検出と削除推奨機能。
パーマリンク診断
404エラーの発生箇所、リダイレクトループ、重複URL、不適切な構造などを自動検出し、修正案を提示。SEO影響度のスコア表示。
不要ファイル検出
アクセスログを分析し、一定期間アクセスのないページやファイルを検出。バックアップを取った上で安全に削除できる機能。
コード品質チェック
非推奨関数の使用、セキュリティリスクのあるコード、パフォーマンス問題を自動スキャン。修正の優先度と推奨対処法を表示。
総合健康スコア
サイトの健康状態を0〜100点で評価。セキュリティ、パフォーマンス、保守性など各項目の詳細スコアと改善提案を提供。
定期診断レポート
週次・月次でサイトの状態をレポート。変化の推移をグラフ化し、問題の早期発見を支援。管理者へのメール通知機能付き。
実際に開発しました
この構想を実現し、実際にプラグインを開発しました。WordPressサイトの健康状態を一目で把握できる、使いやすいインターフェースを備えています。
プラグインの動作画面
予防こそが最良の治療
人間の健康と同じく、WordPressサイトも「予防」が何より重要です。問題が深刻化してから対処するのではなく、定期的にチェックし、小さな問題のうちに解決する——この習慣が、長期的には大幅な時間とコストの削減につながります。
もし、WordPressサイトが「最後にメンテナンスしたのはいつだっけ?」という状態なら、それは黄色信号かもしれません。でも大丈夫です。サイトの「手遅れ」は、想像以上に早く訪れますが、予防すれば防げる問題がほとんどです。
