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なぜどの組織も同じ数字になるのか|4105組織のAI検索対応 全数調査まとめ

東証プライム上場企業1,552社、全国の自治体1,741団体、全国の4年制大学812校。合計4,105の組織について、公式サイトがAIにどう読まれる状態にあるかを、同じ基準で1つずつ調べてきました。3つの調査を並べたとき、個別に見ていたときには気づかなかったことが、いくつか浮かび上がってきます。

🔢 調査対象:4,105組織(企業1,552/自治体1,741/大学812)
📄 llms.txt を設置:52組織(1.27%)
⚠️ AIクローラーに言及:65組織(1.58%)
🏗️ 構造化データ:345組織(8.4%)

日本を代表する企業、すべての市区町村、すべての4年制大学。4,105を調べて、AIに向けて自らの情報を整えていたのは52組織でした。

3つの母集団を並べる

指標別の比較
llms.txt 設置率
企業
2.4%
大学
1.6%
自治体
0.11%
robots.txt 保有率
企業
56.9%
大学
58.3%
自治体
34.7%
構造化データ(Organization型)
企業
15.8%
大学
10.1%
自治体
1.0%
https 非対応率(低いほど良い)
企業
0.5%
大学
10.3%
自治体
1.7%

発見1:性質が違う組織でも、数字がほぼ揃う

3つの調査で最も驚いたのは、この数字でした。robots.txt を持っている組織のうち、AIクローラーについて一言も書いていない割合です。

🏢 企業:robots.txt 保有883社 → AI未言及 94.6%
🎓 大学:robots.txt 保有473校 → AI未言及 98.3%
🏛️ 自治体:robots.txt 保有604団体 → AI未言及 98.5%

上場企業と大学と役所です。目的も、予算規模も、意思決定の仕組みも、まったく違います。それでも、この数字はほぼ同じところに収まりました。

本質
「業界の事情」ではなく、ルールが更新されていないだけ

数字が母集団を問わず一定だということは、この未対応が個別の業界事情によるものではない、ということを意味します。robots.txt という仕組み自体は、多くの組織が20年以上前から持っています。ただ、その中身が「検索エンジン向け」のまま止まっている。AIという新しい読み手が現れたのに、書かれているルールが更新されていない——それだけの話です。裏を返せば、業界特有の障壁があるわけではないので、着手すればどの組織でも同じように進められます。

発見2:指標を変えると、順位が入れ替わる

3母集団を一列に並べると、多くの指標で「企業 > 大学 > 自治体」の順になります。しかし、すべてがそうではありませんでした。

🔄 robots.txt 保有率:大学58.3% > 企業56.9% > 自治体34.7%
歴史の長いac.jpドメインを持つ大学が、ここでは上場企業を上回る
🔄 https 非対応率:大学10.3% ≫ 自治体1.7% > 企業0.5%
最も基本的な安全対策では、大学が企業の20倍の未対応率

大学は、クローラーへの指示という「ウェブ運用の作法」では企業を上回りながら、通信の暗号化という最も基本的な安全対策では、企業の20倍も未対応が多いという結果でした。学部や研究室ごとにサイトが分散し、更新が止まったまま残っている——という大学特有の事情がうかがえます。

ひとつの指標で「進んでいる/遅れている」と判定することの危うさが、ここに出ています。AI対応度のような指標を見るときは、何を測ったものなのかを必ず確認する必要があります。

発見3:先に動くのは「小さくて、競争がある」組織

3つの調査それぞれで、少数ながら先行している組織がありました。その顔ぶれに共通点があります。

🏢 企業:情報・通信業が8.6%と突出(全体2.4%)
🎓 大学:医療・保健・薬学系に偏在
🏛️ 自治体:先行9団体は歌志内市・輪之内町・小国町など小規模自治体が中心

情報通信業は技術に近く、医療系大学は受験生獲得の競争が激しい。どちらも「顧客を取り合っていて、かつ組織が小回りの利く規模」という条件を満たします。自治体で先行していたのも、政令市ではなく小さな町村でした。

逆に、自治体だけは分野や規模による偏りがほとんど出ませんでした。政令指定都市20市も、AIクローラーへの言及・構造化データともにゼロ。住民を他の自治体と取り合う構造がないため、先行者が生まれる動機そのものが薄いと考えられます。

ただし自治体の場合、目的は競争ではなく正確さです。住民がAIに「ごみの出し方」「手当の金額」を尋ねたとき、公式情報が正しく参照されるかどうかは、窓口の負担にも直結します。競争がないからこそ、動機を別に置く必要があります。

個別の調査結果

それぞれの母集団について、業種別の内訳や先行組織の一覧、拒否されているAIクローラーの順位などを詳しく扱っています。

📊 東証プライム1,552社:llms.txt 2.4%。最も拒否されているAIはByteDance系という意外な結果
→ 上場企業編を読む
🏛️ 全国自治体1,741団体:設置は2団体のみ。しかも自動生成だった
→ 自治体編を読む
🎓 全国の大学812校:医療系が先行。設置13校の半分は意図せず生成されたもの
→ 大学編を読む

4,105組織を調べて言えること

調査を通じて一貫していたのは、これは「遅れている」という話ではないということです。拒否するか許可するかで悩んだ形跡がある組織は、ほとんどありませんでした。まだ判断すべき論点として、机の上に載っていない段階です。

そして必要な作業は、大がかりなシステム投資ではありません。

方針を決める:AIの学習に使わせるか、AI検索での参照を許すか。この2つは別の判断
robots.txt を更新する:学習用(GPTBot、ClaudeBot等)と参照用(OAI-SearchBot、PerplexityBot等)を分けて記述
llms.txt を置く:自組織を一文でどう説明するかを、自分で決めて書く
構造化データを入れる:組織名・所在地・連絡先を機械可読にする

注意したいのは、プラグイン任せにしないことです。今回、自治体で見つかった llms.txt は2件とも、大学13件のうち6件が、WordPressプラグインの自動生成でした。ファイルは存在していても、AIに何を伝えたいかを自分たちで決めていなければ、置いた意味は半減します。

Eatransform
AI検索に「正しく載る」ための
サイト整備を支援します

4,105組織を実際に調査した基準で、御社・御校・御庁のサイトがいまAIにどう見えているかを診断します。robots.txt の方針決定から、llms.txt の設計、構造化データの実装まで。「同じ業界の他社はどうなっているのか」を含めてご説明できます。島根県から全国対応です。

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まとめ

4,105組織を全数調査。llms.txt 設置は52組織(1.27%)
✅ robots.txt 保有組織の94〜98%がAIに未言及。母集団を問わずほぼ同率
指標によって順位が入れ替わる。大学はrobots.txtで首位、httpsで最下位
✅ 先行するのは「小規模かつ競争のある」組織。競争のない自治体では偏りが出ない
✅ 設置されていても半数近くはプラグインの自動生成

4,105という数字は、日本の主要な組織のかなりの部分を覆っています。そのうち52。この比率は、来年には変わっているはずです。変わったときに「いつから対応していたか」が問われる場面が来るかどうかは分かりませんが、少なくとも今は、テキストファイルを2つ置くだけで先行できる時期だといえます。

【調査概要】対象:東証プライム市場内国株式1,552社(日本取引所グループ公表資料より種類株を除く全数)、全国市区町村1,741団体(総務省全国地方公共団体コードより公式サイトを特定できた全数)、全国の4年制大学812校(短期大学・専門職大学・大学院大学を除く)/調査日:2026年7月/方法:各組織の公式サイトのトップページ、/llms.txt、/robots.txt を取得し、3調査とも同一の判定基準・同一スクリプトで機械判定。llms.txt はHTMLを返す偽陽性を全件目視で除外。応答が得られなかった組織は未設置として集計。数値は調査時点のものであり、各組織の設定は随時変更されうる。

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