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Anthropicが中国企業のClaude抜け道アクセスを取り締まり強化|Ant・ByteDanceの手口と、規約違反の落とし穴

先日お伝えした「Alibabaによる過去最大の蒸留攻撃」の告発から、わずか数週間。Anthropicが今度は、もっと足元の問題に手を付け始めました。中国企業がAnthropicの利用規約をすり抜けて、Claudeにアクセスし続けていた「抜け道」の存在です。Financial Timesの報道によれば、Ant Group(アント・フィナンシャル)はシンガポール法人名義のアカウントを社内で使わせ、ByteDance(TikTok運営元)はVPN経由の個人契約を経費として精算していたとされます。違法ではないけれど、規約違反。この”グレーな正直さ”の隙間を、Anthropicがようやく本気で塞ぎにかかっています。

何が起きたのか

Anthropicは2025年9月の規約改定で、中国に本社を置く企業や、その支配下にある海外法人がClaudeを利用することを明確に禁止しています。しかし今回のFinancial Times報道によれば、この禁止は実際にはかなりの数の企業に迂回されていました。

具体的な手口として報じられているのは3パターンです。1つ目は、Ant Groupのように「シンガポールなど海外法人名義の法人アカウント」を、中国本社の社内イントラネット経由で社員に使わせる方法。2つ目は、ByteDanceのように「VPN経由でアクセスする個人のClaude契約」を会社が経費として精算する方法。3つ目は、Microsoft Azureのような海外クラウドサービスの、海外法人名義の契約を経由してアクセスする方法です。いずれも、米国や中国の法律には違反しないものの、Anthropicの規約には明確に反する行為だとされています。

📰 報道:Financial Times(2026年7月3日)
🏢 報じられた企業:Ant Group(シンガポール法人経由)・ByteDance(VPN個人契約の経費精算)
☁️ その他の経路:Microsoft Azureなど、海外法人名義のクラウド契約経由
⚖️ 法的な扱い:米中の法律には違反しないが、Anthropicの利用規約には違反
🛡️ Anthropicの対応:利用者のPC時刻設定・利用パターンを監視し、抜け道を検知・遮断

「転送ステーション」という、もう一つのグレー産業

今回の件で興味深いのは、企業レベルの抜け道とは別に、個人向けの”仲介サービス”がすでに一大産業になっている点です。「転送ステーション(中継サービス)」と呼ばれるこれらのサービスは、Anthropicが利用を認めている国にサーバーを置き、中国のユーザーからのリクエストを、海外のClaudeアカウント経由で転送して応答を返す、という仕組みです。利用者からすると、直接Claudeを使っているのとほぼ同じ体験になります。

こうしたサービスは、中国語のサイトやGitHubページで何十件も一覧化され、対応モデルやトークン単価が比較されているほどで、中には正規料金の最大9割引きで提供するものもあるとされています。規模が大きくなりすぎて、もはや個人の迂回行為というより、一つの流通市場になっている、というのが実態です。

本質
規約は「地理的なブロック」だけでは守れない

「中国からのアクセスを禁止する」という規約は、単純にIPアドレスで国を判定するだけでは簡単にすり抜けられます。海外法人・海外クラウド・VPN・中継サービスと、迂回の手段は何段階も用意されている。Anthropicが今回、時刻設定や利用パターンといった、より細かい行動的な手がかりで検知を強化したのは、単純な地理的ブロックの限界を認めた結果と言えます。

先日の蒸留攻撃告発との繋がり

この動きは、単独の出来事ではありません。先日お伝えしたとおり、Anthropicは6月10日付けの米上院への書簡で、Alibaba関連の運営者が2.5万の不正アカウントで2,880万回以上のやり取りを行い、Claudeの能力を蒸留しようとしたと告発していました。今回報じられた「抜け道アクセス」と「蒸留攻撃」は、直接同じ出来事ではありませんが、根っこは同じです。中国企業にとってClaudeの能力は、正規に使えなくても、何とかして手に入れたいほど価値がある——という状況が、規約の抜け道と、大規模な蒸留攻撃の両方を生んでいる構図です。

なお、一部の報道では「Claude Codeがユーザーのタイムゾーンや利用環境を照合し、出力テキストに肉眼では判別できない改変を加えて追跡していた」という、かなり踏み込んだ話も伝えられています。ただしこれは単独の情報源によるもので、主要メディア各社の報道では確認が取れていません。ここは確度が低い情報として、事実と切り分けておきます。

この話から見えてくること

1
「違法ではない」は「規約違反ではない」を意味しない
今回のケースは、法律上はセーフでも、サービスの利用規約には明確に違反していました。自社や取引先がAIサービスを使う際も、「法律に触れなければOK」ではなく、契約・規約レベルでの適合性を確認しておく必要があります。
2
「便利な中継サービス」ほど、規約・セキュリティのリスクが見えにくい
転送ステーションのような中継サービスは手軽に見えますが、自分の入力内容が第三者のサーバーを経由する時点で、情報漏えいや規約違反のリスクを抱えます。「安く・簡単に使える」の裏に、見えないリスクが隠れていないかを確認する視点が必要です。
3
正規のルートで使い続けることが、結局いちばん安全で持続する
抜け道は、いつか塞がれます。今回のように検知が強化されれば、その日からアクセスできなくなり、業務が止まるリスクを抱えることになります。多少割高でも正規の契約で使い続けることが、長期的には最もリスクが少ない選択です。
Anthropicが中国企業のClaude抜け道アクセスを本格的に取り締まり開始(FT報道)
✅ Ant Group・ByteDanceなどが海外法人名義・VPN経由で規約をすり抜けていた
✅ 個人向けの「転送ステーション」という中継サービス産業も存在
✅ 先日のAlibaba蒸留攻撃告発と根は同じ構図(正規に使えない価値への渇望)
✅ 教訓は「違法でなくても規約違反」の視点と、正規ルート利用の重要性
Eatransform
規約・法令を守った
正規のAI活用・システム開発

安さや手軽さだけで中継サービスや非正規のアクセス方法を選ぶと、ある日突然使えなくなるリスクを抱えます。Claude・Gemini・ChatGPTなど各社の正規の契約・APIを使った、規約に沿った安全なAI活用の仕組みづくりをサポートします。「今のAI利用、規約的に大丈夫か不安」という方は、お気軽にご相談ください。島根県から全国対応です。

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まとめ

Anthropicが中国企業によるClaude抜け道アクセスの取り締まりを強化(FT報道・2026年7月3日)
✅ 海外法人名義・VPN・海外クラウド経由の「規約違反だが違法ではない」迂回が横行していた
✅ 個人向けの「転送ステーション」中継サービスも一大産業に
✅ 先日のAlibaba蒸留攻撃告発と根は同じ構図
✅ 教訓は「違法でなくても規約違反」の視点と正規ルートの重要性

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