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Claude Coworkのサンドボックス、1メッセージで脱出可能に|SSHキー漏洩リスクとwp2shell続報

「隔離環境で安全に動く」というAIエージェントの前提が、たった1つのメッセージで崩れました。Anthropicの知識労働エージェントアプリ「Claude Cowork」に、AIが自分の”檻”であるはずの仮想マシンから脱出し、Macのファイルシステム全体——SSHの秘密鍵やクラウドの認証情報まで含めて——読み書きできてしまう脆弱性が見つかりました。今日はこの話と、先日からお伝えしているWordPressの「wp2shell」続報を、あわせてお届けします。

Claude Cowork、”1メッセージで檻を出た”サンドボックス脱出

セキュリティ企業Accomplish AIの主任研究者オレン・ヨムトフ氏は、この攻撃経路を「SharedRoot」と名付けました。氏の説明はシンプルです。「新しいClaude Coworkセッションにフォルダを1つ接続し、短いメッセージを1つ送っただけで、エージェントがサンドボックスを脱出するのを目撃した。VM内部からホストのMacに到達し、接続したフォルダをはるかに超えて、あちこちのファイルを読み書きしていた。許可を求めるプロンプトは一度も出なかった」。

Claude Coworkは、macOS上でAppleの仮想化フレームワークを使ってLinux VMを起動し、その中で権限を制限したユーザーとしてエージェントを動かす設計です。本来なら、エージェントの操作はこのVM内部と、明示的に接続したフォルダだけに限定されるはずでした。しかし調査の結果、このVMには実はホスト側のファイルシステム全体が、書き込み可能な状態でマウントされていたことが判明しました。本来はVM内部の管理者権限を持つユーザーしかアクセスできない設計でしたが、通常の一般ユーザー権限からこの管理者権限を奪う方法が見つかり、結果としてホスト側の全データに手が届く状態になっていました。

🔓 発見:Accomplish AI(オレン・ヨムトフ氏)、攻撃経路を「SharedRoot」と命名
🎯 影響:ローカル実行のClaude CoworkでMac全体のファイルへの読み書きが可能に
🔑 被害範囲:SSH秘密鍵・クラウド認証情報など、ログインユーザーがアクセスできる全データ
⚠️ ユーザー操作:不要(許可を求めるプロンプトも一切出ない)
現在の対応:最新版はデフォルトでクラウド実行に変更済み。ローカル実行を選ぶ場合は依然リスクあり

正直に書いておくべき点として、Anthropicはこの報告を「Informative(参考情報)」として処理し、直接の修正は行っていません。ただし、最新版のCoworkはデフォルトの実行方式をクラウド実行に切り替えており、この特定の脆弱性はクラウド実行では該当しないと見られます。一方、ローカルでの実行をあえて選択しているユーザーは、引き続きこのリスクにさらされたままです。研究者側は、今回の問題は特定のバグ1つの話ではなく、「ホストのファイルシステム全体を書き込み可能な形でVMに見せる」という設計そのものに根がある、と指摘しています。

本質
「AIエージェントに未知の入力を扱わせる」こと自体が、常にリスクの主戦場

Accomplish AIのブログが指摘しているとおり、AIエージェントにとって「信頼できない入力」は例外的なケースではなく、むしろ日常的な主業務です。書いた覚えのないリポジトリを読ませたり、誰かから送られてきたPDFを処理させたり——これこそがエージェントに任せたい仕事の中身です。だからこそ、サンドボックスの境界線こそが、「モデルがちょっと変なことをした」で済むか「モデルが自分のクラウド認証情報を握った」になるかを分ける、唯一の防波堤です。ローカル実行でAIエージェントを使う際は、この境界線がどこまで信頼できるかを、常に意識しておく価値があります。

続報:wp2shell、CISAが「悪用確認」認定を追加

先日お伝えしたWordPressコアの脆弱性wp2shellについて、続報です。CISA(米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)は7月21日、CVE-2026-63030(REST APIバッチルート処理の不具合)を「既知悪用脆弱性(KEV)」カタログに正式追加しました。米連邦機関には、このCVEについては7月24日まで、もう一方のCVE-2026-60137(SQLインジェクション)については8月4日までの対応が義務付けられています。

セキュリティ企業watchTowrの主任研究者は、「UTC時間の土曜早朝には、公開された攻撃コードを使ったハッシュ化された認証情報の窃取が、既に本格化していた。さらに詳しい情報が公開されるにつれ、リモートコード実行まで踏み込んだ攻撃が続いている」と説明しています。現時点で、スイス・ドイツ・英国・インドネシア・リトアニア・オランダ・シンガポールの13の異なるIPアドレスが、この攻撃活動と関連付けられているとのことです。まだパッチを適用していないサイトは、今すぐの対応が必要です。

Claude Coworkのローカル実行に、Mac全体へのアクセスを許すサンドボックス脱出の脆弱性
✅ Anthropicは直接の修正は行わず、最新版はデフォルトでクラウド実行に変更
wp2shellがCISAの悪用確認済みリストに追加、複数国のIPから攻撃を確認
✅ 共通する教訓は「隔離環境・境界線」を過信しないこと
Eatransform
AIエージェント・WordPressサイトの
セキュリティ設計・緊急点検

AIエージェントをローカル環境で動かす際の設定確認から、WordPressサイトの緊急パッチ適用状況の点検まで、実務に即したセキュリティ対応をサポートします。「AIツールもサイトも、両方きちんと見てほしい」という方は、お気軽にご相談ください。島根県から全国対応です。

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まとめ

Claude Coworkのローカル実行に「SharedRoot」サンドボックス脱出の脆弱性(Accomplish AI開示)
✅ SSHキー・クラウド認証情報までユーザー操作なしでアクセス可能だった
✅ 最新版はデフォルトでクラウド実行に変更済み、ローカル実行選択時は要注意
wp2shellがCISAの悪用確認済みリストに追加、複数国からの攻撃活動を確認
✅ 教訓は「隔離環境」「パッチ済み」を過信せず、実際の設定・バージョンを確認すること

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