今日は対照的な2つの動きをお届けします。1つは、フラッグシップモデルを出せないまま次世代の準備に踏み切ったGoogleの苦しい台所事情。もう1つは、中国発のオープンモデルが立て続けにリリースを迎え、需要が供給を上回るほどの過熱ぶりを見せている話です。「閉じた高性能モデル」と「開かれた大規模モデル」、両陣営の温度差が際立つ1日でした。
Google、Proを飛ばしてGemini 4の学習に着手——苦しい台所事情
Googleは7月21日、Gemini 3.6 Flash・Gemini 3.5 Flash-Lite・Gemini 3.5 Flash Cyber(政府・信頼できるパートナー限定のセキュリティ特化版)という3つのモデルを新たに公開しました。効率性・処理速度・セキュリティという異なる階層をカバーする、意味のある製品ラインナップです。実際、企業のAI利用の大半は、最上位の推論力を必要としない日常的なタスクであり、Flash系のモデルこそが実運用の主戦場だという指摘もあります。
ただし、今回の発表で最も目立ったのは「不在」でした。当初の目標を何度も逃してきたフラッグシップモデル「Gemini 3.5 Pro」は、今回も姿を見せていません。しかもGoogleは同じ発表の中で、次世代モデル「Gemini 4」の事前学習を、自社史上最も野心的な規模で開始したと明かしています。フラッグシップをまだ出せていない段階で、次の世代の準備に着手する——この順序自体が、Google社内の焦りを物語っています。
Gemini 4の学習開始を、単純に「Googleが未来を見据えて動いている証拠」と受け取るのは早計かもしれません。Proが繰り返し目標を逃している中で次世代に着手するのは、現行モデルの立て直しを事実上見送り、次で巻き返すという判断とも読めます。企業がAIベンダーを選ぶ際、「次はすごいものが出る」という将来の約束より、「今、実際に何が使えるか」を基準にするほうが、現実的な判断につながります。
中国オープンモデル陣営、立て続けのリリースで過熱
対照的に勢いを増しているのが、中国発のオープンウェイトモデルです。DeepSeekの新モデル「V4」が7月24日にリリース予定、そして先日お伝えしたムーンショットAIの「Kimi K3」の完全な重みが7月27日に公開される予定です。この短期間での連続リリースそのものが、中国勢の開発ペースの速さを示しています。
特に象徴的なのが、Kimi K3の需要です。ムーンショットAIは、需要が供給能力を上回ったとして、新規のサブスクリプション受付を一時的に停止したと報じられています。無料で使えるオープンモデルであっても、実際にサービスとして提供するには計算資源が必要で、その需要をさばききれないほどの反響があった、ということです。「性能で並ばれた上に、無料でここまで求められている」という状況は、閉じた高価格帯モデルを提供する側にとって、軽視できない脅威です。
この状況を、業界では「単一のグローバルAIスタックという前提が、常に一時的なものだったことが今年はっきり見えてきた」と評する声もあります。実務的には、地域ごとに異なるモデル・異なる規制要件・異なるインフラを組み合わせて使う、という体制が、今後より現実的な選択肢になっていく可能性があります。
AIモデル選定・業務設計
将来の約束ではなく、実際に今使える性能・価格・提供体制で、AIモデルを選定します。オープンモデルの活用も含め、特定ベンダーに依存しすぎない構成をご提案します。「Google・OpenAI・Anthropic・中国系オープンモデル、結局どれを選べばいいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。島根県から全国対応です。
まとめ
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