SSD1枚が、どこかに消えました。2026年4月27日、九州電力送配電のサーバーの容量が逼迫し、一時的な対処として持ち運び型SSDにバックアップを取りました。約1ヶ月後の5月26日、そのSSDが保管場所から見当たらないことに気づきました。そのSSDに入っていたのは、2016年から2024年にかけて契約があった九州本土ほぼ全域の顧客情報。最大1,090万件です。サーバー室には多重のセキュリティがあった。でも、SSDを保管していたキャビネットには鍵がかかっていませんでした。
何が起きたのか
九州電力送配電は2026年6月8日、顧客の個人情報を保存したバックアップ用の外部記憶媒体が保管場所から所在不明となり、社外に漏えいしたおそれがあると発表しました。
外部記憶媒体には、需要者名、供給場所住所、使用電力量データ、電話番号、小売電気事業者名などの顧客情報が保存されており、最大1,090万口分に上ります。銀行口座やクレジットカード情報は含まれていません。現時点では流出の事実は確認されていないとしています。
なぜこうなったのか
経緯を整理すると、問題は複数の「小さな判断ミス」が重なった結果です。
バックアップシステムの容量が逼迫したため、一時的な外部保管先として持ち運び型SSDを使用しました。「一時的」のはずが、約1ヶ月間管理されないまま放置される結果になりました。緊急対処として始めたことが、正式な手順を踏まずに運用され続けるケースは珍しくありません。
サーバー室自体は多重のセキュリティ対策が施され、入退室も特定の関係者に限定されていました。一方で、外部記憶媒体を保管していたキャビネットは施錠されていませんでした。入口は守られていても、中の棚に鍵がかかっていなかったということです。
SSDは暗号化されておらず、紛失した場合に第三者が内容を読み取れる状態でした。暗号化さえされていれば、仮に紛失しても情報が読み取られるリスクは大幅に下がります。
これは大企業だけの問題ではありません
「大企業でも起きるのか」と思うかもしれません。しかし今回の問題の本質は、規模の問題ではありません。
「容量が足りないから一時的にUSBに保存した」「とりあえずデスクの引き出しに入れておいた」「後で正式な手順に戻すつもりだった」。こういう判断は、中小企業や個人事業主の現場でも日常的に起きています。
顧客名簿・見積書・契約書・従業員情報。USBメモリやポータブルHDDに入れて持ち歩いている、あるいは施錠されていない引き出しに保管している、そういう状況は珍しくないはずです。
今すぐできる対策
USBやポータブルHDDは紛失・盗難のリスクが高いです。Google DriveやOneDriveなどのクラウドストレージに移行することで、物理的な紛失リスクをゼロにできます。アクセス権限を適切に設定することが前提です。
どうしても外部メディアを使う場合は、BitLockerやVeraCryptなどで暗号化してください。暗号化されていれば、紛失しても第三者が内容を読み取ることはできません。Windowsのコントロールパネルから設定できます。
今回の問題の根本は「一時的な対処」が記録されず放置されたことです。緊急対処をした時は必ずメモに残して、正式な手順に戻す期限を決めてください。「後でやる」は必ず忘れます。
システム構築・相談
バックアップ設計・クラウド移行・アクセス権限の整備など、中小企業・個人事業主向けのデータ管理システムの構築・相談を行っています。「何から手をつければいいかわからない」という方はお気軽にどうぞ。
まとめ
データ管理・セキュリティ対策のご相談はお気軽にどうぞ。
セキュリティ対策・データ管理のご相談はこちら
無料相談する →