「広い敷地を少人数で見回るが、異変に気づくのが遅れる」「モニター監視は目を離した一瞬が怖い」「侵入や不審行動を、もっと早く・確実に察知したい」——そんな警備現場の課題に応えるのが、スマートグラス型の警備支援システムです。警備員がグラスを装着すると、立入禁止エリアへの侵入や不審な滞留を、視界の中にリアルタイムで色とアイコンで知らせます。目的は「監視員の代替」ではなく、警備員の視界に”もう一つの監視層”を重ね、気づきの遅れを最小化すること。本記事では、その仕組みを、実際に動くデモとともにご紹介します。
なぜ警備にスマートグラスなのか
従来の警備は「人の目」と「固定カメラのモニター監視」が中心でした。しかし、人は広い範囲を同時に見続けることができず、モニター監視は画面から目を離した一瞬に異変が起きます。固定カメラには死角もあります。スマートグラスは、警備員が実際に見ている方向そのものをAIが補助するため、「人の機動力」と「AIの見落とさない目」を両立できます。手元の業務を止めず、視界の隅で異変を察知できる点が、スマホやタブレットにはない優位性です。
| 従来の警備の課題 | スマートグラスでの改善 |
|---|---|
| 広い敷地を少人数で見切れない | AIが視界内の人物・侵入を常時検知 |
| モニターから目を離すと見逃す | 異変を視界の中に色とアイコンで通知 |
| 異常への気づきが遅れる | 侵入・滞留を即時にハイライト表示 |
| 証跡(録画)の確保が手間 | 異常検知時に前後の映像を自動保存 |
実際に体験してみる(デモ)
以下は、警備員がスマートグラスを装着したときの「視界」を再現した体験デモです。施設の見取り図の上を、人物(●)が移動します。赤い点線の枠が「立入禁止ゾーン」です。「巡回スタート」を押すと監視が始まり、人物がゾーンに侵入すると、視界に赤いハイライトと警告が表示されます。長く同じ場所に留まる人物は黄色(不審滞留)として注意表示されます。
GuardVision ― 視界に重なる監視層
巡回中の視界に、侵入・不審行動をリアルタイム表示
※ これはブラウザ上での体験シミュレーションです。実機では、グラスのカメラが人物・侵入・滞留をリアルタイムで判定します。
GuardVisionの仕組みと主な機能
人物検知とトラッキング ― 視界の人を、見失わない
グラスのカメラが、視界に入った人物をリアルタイムで検出し、その移動を追跡します。広い敷地でも、警備員が向いた方向の人の動きを、AIが常時把握します。人の目では追いきれない複数の対象も、同時に捉え続けます。
ゾーン侵入検知 ― 立入禁止エリアを、見張り続ける
あらかじめ設定した立入禁止エリア(仮想ゾーン)に人物が入ると、視界の中でその人物を赤くハイライトし、警告アイコンを表示します。フェンスや看板では防げない「うっかり侵入」「意図的な侵入」を、その瞬間に察知します。
不審行動検知 ― 「いつもと違う」を捉える
同じ場所への長時間の滞留、不自然な往復、ランダムな徘徊といった、通常の動線から外れた行動を検知し、黄色で注意表示します。「侵入」という明確な異常の手前にある、”なんとなく怪しい”を、数値で捉えます。
証跡の自動録画 ― 「その瞬間」を、逃さず残す
常に直近30秒を一時録画しておき、異常を検知した瞬間に、その前後の映像を自動で保存します。時刻・場所・イベント種別・危険度をメタデータとして付与するため、後からの確認・報告がスムーズです。
緊急アラート連携 ― 現場と本部を、即つなぐ
侵入や高危険度の行動を検知すると、本部・管理センターへ即時に通知します。位置情報・イベント種別・録画クリップ・危険度を自動で送信。手動の緊急ボタンにも対応し、現場の警備員と本部が、リアルタイムで状況を共有できます。
視界を妨げないAR表示 ― 情報は、最小限に
表示は「色」で直感的に伝えることを最優先にしています。赤は即時危険、黄は注意、青は通常。視界の中心を遮らず、必要な情報だけを周辺に出すことで、警備員の本来の視認を妨げません。
想定される活用シーン
| 現場 | 活用イメージ |
|---|---|
| 夜間の施設警備 | 敷地への侵入を検知 → 赤警告 → 自動録画 → 本部へ即通知 |
| 工事現場の監視 | 重機の稼働エリアへの立入を検知 → 即警告で事故を未然に防ぐ |
| 倉庫・物流拠点 | 深夜の不審な徘徊を黄色で検知 → 監視を強化 |
| イベント・施設の雑踏 | 立入制限エリアへの侵入や、不審な滞留を早期に察知 |
開発ロードマップ
GuardVisionは、現場で本当に必要な機能から段階的に形にしていきます。まずはブラウザ上の体験デモで「視界に監視層が重なる」価値を可視化した段階です。
| フェーズ | 内容 | 状態 |
|---|---|---|
| 体験デモ | 侵入・滞留検知の表示体験をブラウザで再現(本記事) | 公開中 |
| 実機プロトタイプ | 人物検出・ゾーン侵入判定・AR表示・録画・緊急通知 | 開発予定 |
| 機能拡張 | 不審行動の判定精度向上・本部ダッシュボード連携 | 構想 |
| 現場導入 | 警備会社向けの運用・複数台連携・証跡クラウド管理 | 構想 |
よくある質問
監視カメラと何が違うのですか?
固定カメラは設置場所しか映せず、死角が生まれます。また、モニターを人が見続ける必要があり、目を離した瞬間に異変を見逃します。スマートグラスは、警備員が実際に動いて見ている方向そのものをAIが補助するため、機動力と「見落とさない目」を両立できます。
警備員の仕事を奪うものですか?
いいえ。本システムの目的は「監視員の代替」ではなく、警備員の視界に”もう一つの監視層”を重ねることです。最終的な判断と対応は人が行います。AIは「気づきの遅れ」を減らす補助に徹し、警備員がより的確に動けるよう支援します。
プライバシーへの配慮はどうなりますか?
録画は異常検知時など必要な場面を中心に保存し、保存データの取り扱い・保管期間・アクセス権限を明確にした運用が前提です。導入にあたっては、設置場所の掲示や、各現場の規程・関連法令に沿った運用設計が必要になります。
オフラインでも使えますか?
検知の中核はグラス側(エッジ)で処理する設計のため、通信が不安定な現場でも、最低限の侵入・滞留検知は動作します。本部への通知や録画のクラウド同期は、通信が回復した際に行う形を想定しています。
まとめ
GuardVisionは、警備員がスマートグラスを装着することで、立入禁止エリアへの侵入や不審な滞留を、視界の中にリアルタイムで知らせる警備支援システムです。最大の価値は、AIに警備を任せることではなく、人の機動力に「見落とさない目」を重ね、気づきの遅れを最小化すること。まずはブラウザ上の体験デモで構想を形にし、実機プロトタイプ、現場導入へと段階的に育てていきます。
GuardVisionに関するご相談・体験デモのご依頼は、お気軽にお問い合わせください。現場の課題に合わせて、一緒に形にしていきます。
